Ⅰ(98~99)

M・K氏

断酒歴10年にふさわしい心をもっているか、試されるように妻に先立たれた。11月3日は結婚記念日、断酒会入会日。
 おかけさまで何とか10年を迎えることができました。しかし、断酒の節目にふさわしい心がけをもっているか試験をされるように、それは妻の死という過酷なものでした。精進がたりないので問題を難しくしたのでしょう。
 娘は「お母の生きたいという執念は凄絶だった」といっております。このことを、腹の中心にきっちり置けば、飲まないで過ごせそうに思っております。娘の言葉などを借りながら、今回は現在・過去を交差させるので脈絡のない話になりますので、ご容赦ください(ボケと依存症特有の言い訳をきんではおりますが)。
 はじめてアルコールを飲んだのは、高校3年の時だったと思う。悪友数人と化学の実験室に入り浸りで、発色試験と称して花火を作って遊んでいた。誰かがエチルフルコールを実験として飲もうと言い出した。当時メチルは爆弾と呼ばれ、目がつぶれるということでエチルと区別するため着色していた。酒はエチルであるという認識はあった。飲んで息を吐くと白い霧となって発散する。友人達はその場に座り込んでしまったが、私だけはそんなことはなかったから、飲める素地は十分あったのだろう。こんなまずいものを、なぜ大人は飲むのか疑問をもった。常に実験などという大義名分や、何か理由づけが欲しい飲み方であったように思う。
 最後に入院した久里浜病院の医師は、はじめて飲む抗酒剤について
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